相続税

2024年から新NISAで相続税対策

2024年から始まることで話題なのが新NISAですが、もし子や孫が新NISAをしたいと考えているなら、新NISA資金を渡すことで相続税対策ができます。

大切なのは、年間110万円を超えない金額にすること。

いわゆる「生前贈与」と組み合わせることで相続税対策ができる方法です。

新NISAは非課税で配当金や分配金が受けられる

新NISAが2024年から始まります。新NISA枠で投資した内容は非課税で運用でき、年間投資枠が360万円もあります。

・つみたて投資枠…120万円
・成長投資枠…240万円

新NISAでは投資信託や個別株、米国株などが非課税で運用できます。これまで旧NISAもありましたが、大きく違うのは、つみたて投資枠と成長投資枠どちらも埋められることと、1年で合計360万円もの非課税枠があること。生涯の非課税限度額は1,800万円もあり、非課税保有期間は無期限。これまで投資をしてこなかった人にまでも注目されています。

そしてこの新NISAをしたい子や孫に対して贈与をすることで相続税対策もできます。

カギは「年間110万円までの生前贈与」

亡くなった時に遺産分割をするならかかってしまう相続税ですが、生きている間に贈与をすることで相続税を軽くする効果もあります。いわゆる「生前贈与」と言われる内容ですが、この制度を利用すると、1年間(1月1日から12月31日まで)、110万円の基礎控除の範囲内なら贈与税がかかりません。

この110万円は、受贈者1人あたりの枠です。

つまり、1人が、子A、子B、孫A、孫B、孫Cへ、それぞれ5人に110万円を贈与した時、合計550万円の場合であっても贈与税はかかりません。

もし、子や孫が新NISAをしたいと考えていて資金が欲しいなら、子や孫へお金を渡すことで、贈与税や相続税などの税金がかからない工夫もできます。

逆にこの受贈者1人あたり110万円の制限で気をつけなくてはいけないのは、”受贈者1人あたりの枠”である点で、子Aが、親からも祖父からも贈与をされていて、1人の人が110万円を超えて贈与をされてしまった場合には贈与税がかかるので、無申告だと脱税となります。このように税金がかかるかどうかは注意しておきましょう。

7年間はまだまだ元気でいられそうなら税金対策できる

この「生前贈与」が使えるのは条件があり、相続税の課税対象になる期間が「贈与者の死亡までの7年以内」であることです。

もし、死亡してしまうと生前贈与された財産を相続財産に戻すケースもあります。これを「持ち戻し」といいます。2023年までは3年間が対象でしたが、2024年度からは死亡前7年間に延長されることになりました。

まだまだ元気でいられそうなら税金対策ができるため、新NISAをきっかけに相続税対策として贈与を考えてみてもよさそうです。