不動産資産の価値を把握することは、特に相続が発生する際には非常に重要な行動です。
国土交通省が公表している「主要都市の高度利用地地価動向報告~地価LOOKレポート~」は、最近の地価の動向を知るうえで大変役立つ資料です。
ここでは令和2年の第2四半期(4-7月)の結果を見つつ、動向を探ってみましょう。
上昇傾向から一転した状況
この調査は地域別で東京圏43地区、大阪圏25地区、名古屋圏9地区、地方中心都市等23地区の計100地区を対象に行われ、用途別では住宅系地区(高層住宅等により高度利用されている32区)と商業系地区(店舗や事務所等が高度に集積している68区)の地価動向についてまとめられているものです。
概況を見てみると、令和2年の4-7月で以下の変化が生じたことが指摘されています。
- それまで上昇傾向にあった地価だが、この期間の調査から1地区を除いて横ばいか減少に転じている
- 商業系が住宅系より下落地区の割合が高く、地域別では大都市圏が地方圏より下落地区の割合がやや高い
- 新型コロナウイルス感染症の影響でホテルや店舗を中心に収益性低下への懸念から需要の減退が一部では見られる
このように、調査結果の概況で挙げられている情報だけでも価値のトレンドがどんなものかを掴めます。
これまでの地価上昇傾向に間違いなく転換が訪れていることが窺えますが、理由はやはり新型コロナウイルスの感染の影響が大きいでしょう。
今後の資産価値にも影響を与え続ける可能性があるため、展開を注視しておきたいと考える方は多いと思います。
資産価値の把握は重要
相続を抜きにして考えてみても、不動産の価値を知っておくことや価値の動向を掴んでおくことは大切です。
特に、上記で取り上げた新型コロナウイルスの影響はこれから長期に渡って不動産価値に様々な影響を与えてくると見て間違いないと思われます。
地価動向報告はそのために役立つ資料なので、是非一度ご覧になってみて下さい。